晩婚化・少子化を背景に子宮体がんが増えている
子宮体部の内膜から発生するがんを「子宮体がん」といい、
50歳以上の女性に多く見られます。
晩婚化や妊娠回数の減少など、女性のライフスタイルの
変化により増加の傾向にあります。
子宮体がんの特徴
卵巣から分泌される「エストロゲン」というホルモンが、排卵後の卵巣や胎盤から分泌される「プロゲステロン」というホルモンとともに、月経・妊娠・出産をコントロールしています。
この「エストロゲン」が単独で分泌される期間が続くと子宮体がんのリスクが高くなると考えられています。
● 妊娠・分娩経験のない人、無排卵の人、肥満体の人
症状
● 月経異常や不正性器出血など、特に閉経前後の出血に注意してください。
子宮体がんは「不正性器出血」が特徴ですが、このような症状を単なる生理不順や更年期に伴う症状と勘違いして、見過ごしてしまうケースも少なくありません。
検査
● 子宮内膜の増殖を調べるには、超音波検査が効果的です。
細胞診・・・・・・・子宮底部に細い器具を挿入し、内膜の細胞を採取して顕微鏡で調べる検査です。それでがんが疑われる場合はスプーン状の器具で子宮内膜の組織を少量掻き出して調べる「組織診」を行います。
内診・直腸診・・・がんの広がりを調べるために内診・直腸診が行われます。医療機関によっては「子宮鏡」という内視鏡の一種を、子宮内部に挿入して直接観察する場合もあります。
画像診断・・・・・CTやMRI検査、超音波検査などがあります。細胞診や組織診では、内膜の一部しか調べられませんが、超音波検査では子宮内膜全体の状態を簡単に調べることができます。超音波検査は腹部に探触子(超音波を発する器具)を当てる腹部エコーと膣から探触子を入れる軽膣エコーとがあります。
子宮内膜前面掻爬・・・まれに組織診では子宮内膜異型増殖症なのか、がんなのか区別が難しい時に、子宮内膜の組織を特殊な器具を用いてすべて掻き出し、詳しく調べる検査です。 全身麻酔で1〜2日入院して行われます。
治療
● 卵巣も一緒に取ってしまう拡大子宮全摘出術が多い。
子宮体がんの治療は、子宮を全部摘出する手術が多いです。
手術の方法は、がんが子宮体部にとどまっているかどうかで変わります。
がんが子宮体部にとどまっている場合は、単純子宮全摘出術か拡大子宮全摘出術を行います。
子宮体部だけでなく、子宮頚部にもがんが広がっている場合は、広汎子宮全摘出術が行われます。
拡大子宮全摘出術の場合、同時に骨盤内のリンパ節も切除し、また、子宮体がんの卵巣への転移が多いこと、卵巣から分泌される「エストロゲン」が子宮体がんの増殖を促す作用もあるため卵巣も一緒に摘出します。
化学療法・・・・・・手術後、筋肉層の深くまでがんが達していたり、リンパ節転移が認められた場合に行われます。 肺や肝臓、腹控内に転移している場合にも手術に加えて化学療法が行われます。
放射線療法・・・・手術後、筋肉層の深くまでがんが達していたり、リンパ節転移が認められた場合に行われます。 照射する方法は、体外から放射線を当てる外部照射が多いです。
ホルモン療法・・ホルモン療法は、子宮内膜をすべて掻き出す、子宮内膜全面掻爬と組み合わせて行われます。 子宮体がんのホルモン療法では、「プロゲステロン製剤(MPA)」が用いられます。 プロゲステロンは、エストロゲンと一緒に、月経周期をコントロールするホルモンで、子宮体がんの増殖や転移を抑える作用があります。
ホルモン療法の条件
・ 将来の妊娠のために、子宮を残したいという強い希望がある方
・ 極端な肥満でない方
・ 40歳以下の方
・ Ia期までのごく早期で正常の細胞に比較的近い方
・ がんが告知されている方 |