がん治療ニュース 肺がんの 筑紫哲也氏を救った がん検診 の中身


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 肺がん・筑紫哲也氏を救った「がん検診」の中身

 肺がんであることを自らの番組で告白したニュースキャスターの筑紫哲也さん(71)。 「自分はがんにはならない、という根拠のない自信があった」と語った筑紫さんだが、年に一度欠かさず受けていた人間ドックで初期のがんが見つかった。

 肺がんは早期発見が非常に難しい。1日3箱は空けていたヘビースモーカーの筑紫さんを救ったがん検診、その実力は?

 筑紫さんの肺がん発見に貢献したのは、「PET検査」。PETは「ポジトロン・エミッション・トモグラフィー(陽電子放射断層撮影)」。

がん細胞は正常な細胞に比べてブドウ糖を3― 8倍取り込むという特性を利用した画像診断法だ。検査は簡単で、撮影前に「FDG」と呼ばれる陽電子を放出する放射能が付いた擬似ブドウ糖を注静脈射する。

約1時間後、体内に注入された薬剤は、がん細胞に集まり、これをPETカメラで撮影する。


 「一度に全身を見ることができるのがPETの最大の特徴。これにより、がん細胞の身体全体の広がりを把握することができる。

がん転移・再発の状態や、自覚症状の全くないような、1センチ前後のがん細胞塊の診断、さらに画像で見たFDGの集まり方で悪性か良性かの判断も可能」と話すのは東京・板橋区の「西台クリニック画像診断センター」宇野公一院長。

検査時は胃カメラのような痛み、苦しみもなく、20― 40分横たわっているだけ。費用は保険適用外で1回9万円前後かかるが、手軽に早期がん発見ができるとあってPET受診者は急増。

現在、国内のPET導入施設は約200カ所、この5年間で4倍以上に膨れあがるなど、今やがん早期発見の救世主的存在だ。


 だが、万能に見えるPETにも大きな落とし穴はあるので注意したい。


 「すべてのがん発見に有用というわけではない。実はPETだけではいわばザルみたいなもので、CTをはじめとする他の検査と組み合わせて診断しなければならない」

 PETが得意とするのは、筑紫さんのような肺がんや大腸がん、乳がん、甲状腺がんなど。例えば日本人のがん死因第2位、胃がんは不得手。

 「早期の胃がんの場合、初期は粘膜表面に薄く広がるため画像に映りにくい。また、PETによる肺がんの発見率は8割以上ともいわれているが、実際には肺がんの中でも活発ながん細胞である小細胞がんなど喫煙を原因とするがんは発見しやすいが、比較的おとなしい高分化腺がんは発見しにくいなど種類によっても違う」。

より正確にがんの有無を知るには、PET頼み、ではなく多角的な検査が必要となってくる。


 がん検診は各医療機関によってその内容が異なるが、一般的には超音波、CT、レントゲン、MRI、 腫瘍(しゆよう)マーカーなど。西台クリニックでは、PETを含むこれらの検査で費用は15万円程度。朝9時に来院すれば午後2時には帰れる、という手軽さだ。

 「一年に一度受けるのが理想だが、難しいという方にはまず2年連続で受けていただき、何も見つからなかったら3年後、5年後と間隔をあけていただくことをおすすめしている。検診でがんが発見されるのは50代が最も多いので、定年を機に、オーバーホールのつもりでがん検診を受けられては」と宇野院長。

 言うまでもなく、がんは早期発見がカギ。筑紫さん同様「根拠のない自信」がある方は、一度検討してみたらいかがだろう。


(2007.05.22 夕刊フジ紙面掲載)


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