| CT検査により、肺癌(がん)の診断率と治療率は増大するが、進行性腫瘍の患者数や、それによる死亡数には減少がみられないとする研究が、米国医師会誌「JAMA」3月7日号に掲載された。この知見は、ヘリカル(らせん)CTによるスクリーニングで肺癌による死亡の80%を予防できると示した国際早期肺癌アクションプロジェクト(I-ELCAP)の研究結果に反するものである。 |
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CT検査の有効性はすでに十分に裏付けられているとの主張もある中、今回の研究を実施した米メモリアル・スローン・ケタリング癌センター(ニューヨーク)のColin
B. Begg氏は、現在実施されている米国立癌研究所(NCI)による大規模無作為化試験が2009年に終了するまでは、CTを広く使用するべきではないとの考えを示している。米国肺協会(ALA)のNorman
Edelman博士も、CT検査の効果に関するさらに深い研究が必要だと認めている。
米国では、肺癌は依然として癌による死亡原因の第1位で、進行した段階で発見されることが多いため、治療にも限界がある。1期の肺癌の5年生存率は約70%だが、4期ではわずか5%。肺癌が1期で診断されることは残念ながらまれである。
今回の研究でBegg氏らは、1998年以降、毎年CTによる肺癌検診を受けている健康な喫煙者および元喫煙者計3,246人を対象とした過去の3研究について再検討した。CT検査を受けた人は、肺癌と診断される確率が3倍で、肺癌の外科手術を受ける確率は10倍であっが、進行癌となり死亡するリスクの減少は認められなかったという。
この結果は、過去の研究結果に矛盾すると指摘されている。しかしBegg氏によると、今回の研究と過去の研究では、結果は完全に一致しているという。解釈の仕方が異なるためで、例えば、過去の研究では肺癌と診断された後の患者の生存期間に注目しているが、今回の研究では実際の死亡数を比較しており、検診を受けた患者全体の死亡率を、同年齢で同じ喫煙歴をもつ人の予想死亡率と比較した結果、全く差が認められなかったという。Begg氏は、外科手術自体にリスクがあることを指摘し、今回の結果は初期癌に対する手術の妥当性についても疑問を投げかけるものだと述べている。
[2007年3月6日/HealthDay News]
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