千葉大学とオリンパスは、肺がんがどの程度進行しているかを
患者に肉体的な負担をあまりかけずに診断できる手法を開発した。
口から入れた内視鏡を使って超音波を当てて、針で組織を採取し
がんの転移の有無を調べる。
のどに穴を開けて採取する従来法に比べ負担が軽く、診断精度も同等。
肺がんはがん死因の1位を占めており、開発した新手法の普及を目指す。

◆超音波で患部特定 -千葉大・オリンパス-
肺がんはがんの大きさや、どの臓器・組織まで転移しているかを見極めた上で治療方法を決める。開発した手法は、肺がんが疑われる患者がどの程度の病状にあるかを確定するのに役立つ。
転移の有無を確実に知るには、気管支などにあるリンパ節の組織を直接採取し、診断する必要がある。
現在は患者に全身麻酔をかけてのどの下部に穴を開け、縦隔鏡(じゅうかくきょう)という内視鏡を入れて医師がリンパ節を直接見ながら組織を採取している。
千葉大の安福和弘助手と藤沢武彦教授らの手法は先端から超音波を発信する気管支内視鏡を使う。口から内視鏡を入れ、超音波を気管支の内側から当ててリンパ節の様子をモニター画像で確認する。高い精度で位置を決めて組織を針で採取できる。がんが転移している可能性があるリンパ節は、1cmと小さいが、確実にとらえられる。
局所麻酔で対応でき、患者の負担は従来法に比べ軽い。検査時間は複数のリンパ節を採取しても約20分。採取した組織に含まれる細胞をその場で顕微鏡で調べ、転移の有無を素早く判断できる。
患者約700人に試した結果、診断制度は96%で従来と同等だった。
|
 |
これまでも口から内視鏡を入れて診断する試みはあったが、転移の可能性がある小さなリンパ節をうまくとらえられず、誤って血管を刺してしまったことがあった。
安福教授は「リンパ腫や炎症性結核の診断などにも有効」と話している。
一方オリンパスは患者負担の軽い新手法に利用できることをセールスポイントにして、超音波発信型の内視鏡の普及を目指す。
(2007年2月23日 日本経済新聞) |