慶応大病院(東京)が、女性がん患者が がん治療の抗がん剤などの
影響で不妊になるのを防ぐため、女性の卵巣組織を取りだして凍結保存、
がん治療後に再び患者の体内に戻す臨床研究を
計画していることがわかった。
乳がんや白血病など多くのがんが対象で、
日本産科婦人科学会倫理委員会の承認が得られ次第、
研究をスタートさせる。
がん治療などに備え、卵子を凍結保存するケースが増えており、
血液がんの未婚女性患者に対する臨床研究も今月、同学会で認められた。
だが卵子の採取には1週間以上かかるため、
がん治療が遅れる懸念がある。
これに対し、卵巣の採取はただちに行え、一度に1万個程度の
卵子を保存できるという利点がある。
ただし出産に成功した例は世界でもまだ5例に満たないという。
卵巣の一部を、がん手術の際や、腹腔(ふくくう)鏡手術によって取り出し、
零下196度の液体窒素で凍結保存する。同病院では、がん治療の副作用で
卵巣機能が低下し不妊になる恐れがある患者のうち、本人が卵巣の
凍結を希望し、がん治療の主治医も了承したケースを対象とする。
研究を計画した久慈直昭講師(産婦人科)は「がん治療は以前と違って、
治る病気になってきた。がん治療のため出産をあきらめていた女性に
出産の機会が提供できる」と話している。
(2007年1月31日 読売新聞) |