県出資の第3セクター、
トロピカルテクノセンター(TTC)は
29日、モズクやコンブなどの
褐藻類に含まれているカロテノイド
色素から取れる物質「フコキサンチン」と「フコキサンチノール」が成人T細胞白血病(ATL)に対して有効だとする研究内容を発表した。 |
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フコキサンチンの有効性を説明する
安元健教授(左)=29日、県庁 |
TTCは琉球大学と共同で7月に特許を出願している。
研究統括の安元健東北大名誉教授は「天然色素であることを利用して
着色料や健康食品など、食品への利用に取り組みたい」との考えを示した。
安元教授らの実験によると、水1リットル中に100万分の5グラムを溶かした
濃度(5μM=マイクロモーラー)のフコキサンチンとフコキサンチノールを
それぞれ患者から採血したATL細胞に投与すると、高確率でATL細胞の
自然死(アポトーシス)を誘導したという。
フコキサンチノールはさらに低い濃度(2.5μM)でも100パーセント近い
確率でアポトーシスを引き起こした。
これまでの科学治療法はがん細胞だけでなく正常細胞も傷つける
副作用があったが、両物質はがん細胞だけにアポトーシスを起こす特徴
(選択性)があるという。
フコキサンチンはモズク1グラムから70マイクログラム抽出できる。
安元教授は「フコキサンチンはフコイダンを抽出する過程で取ることができ、
コストも低く抑えられる。モズクの生産地としての沖縄で新しい産業となる
可能性がある」と述べた。
研究に参加している琉球大学大学院医学研究科の森直樹教授は、
治療法の確立が遅れているATLについて両物質が画期的な治療薬になる
可能性を述べ、「ATLの治療法確立には時間がかかるため、まず感染者の
発症を予防する研究を進めたい」と話した。
(2006年11月30日 琉球新報)