米国には1万人、育成に遅れ
1年間に五十数万人で
がんが見つかり、32万人以上が
亡くなる。
これらの人数は年々増えており、
がんは死因のトップだ。
治療は
手術、
放射線、
抗がん剤が3本柱。 |
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抗がん剤治療を行う「がん薬物療法専門医」の
田原信さん(左)=国立がんセンター東病院で |
抗がん剤は再発や転移を防ぐ目的のほか、手術前にがんを小さくしたり、放射線治療と組み合わせたりするなど、様々な使い方がされるようになってきた。
患者や病気の性質に合わせた、薬の選択や組み合わせ、副作用を減らす工夫など専門的な知識が必要だ。しかし、日本は長年、外科偏重の傾向があり、抗がん剤治療の専門医の育成が遅れたため、不十分な知識で外科医が片手間に行っている例も少なくない。
国立がんセンター東病院化学療法科医長の南博信さんらは、2003年から2年間に他院から紹介された、転移・再発の乳がん患者78人を調査した。
紹介前の病院で行われた治療内容を、日本乳癌(にゅうがん)学会の乳癌診療ガイドラインなどを基に判定すると、患者に害をもたらす危険性がある不適切な治療が23%も見つかった。治療が寿命を縮めかねない。
このため日本臨床腫瘍(しゅよう)学会は今年4月、抗がん剤治療に通じた医師を育成しようと、「がん薬物療法専門医」を認定する制度を導入した。
◆実績と試験で認定
読売新聞社は、初めて誕生した全国の専門医47人に対して専門分野などのアンケートを実施。全員から回答を得た。このうち研究中で外来診療を行っていない医師などを除き、セカンドオピニオン(主治医以外の意見)を聞くことができる36人の名前や所属病院、対象分野などを一覧にした。
料金と時間は、各病院のセカンドオピニオン受け付け全般に共通する設定で、抗がん剤専門医に限ったものではない。
「がん薬物療法専門医」の認定は、
〈1〉5年以上のがん治療の経験
〈2〉学会が認定する研修施設で2年以上の研修実績
〈3〉過去5年間に抗がん剤治療を行った30例
(必ず3分野以上のがんを含むこと)の報告書の提出 などが条件。
その上で、筆記と口頭の試験に合格した医師が専門医になれる。
合格者は標準的な治療法、吐き気などの副作用の抑え方などの基本を身につけていると言える。30、40歳代の中堅医師がほとんど。得意分野は肺が16人、白血病など血液が6人、血液以外のすべてが5人などだった。
◆全国同水準が目標
ただし、一覧で掲載したほとんどの病院では、認定専門医以外の医師も様々ながんについてセカンドオピニオンを受け付けている。表に出ていないがんでも、各病院に問い合わせてみよう。
アメリカには、抗がん剤治療の専門医が約1万人いるが、日本は認定を始めたばかり。学会は、最終的に4000〜4500人の認定を目標にしている。学会理事長の西條長宏さん(国立がんセンター東病院副院長)は「全国どこでも同じ水準の治療が受けられる体制を整えたい」と話す。
抗がん剤治療は患者にとって命をかけた闘いだ。最新の知識を持つ専門医にためらわずに助言を求めよう。(坂上博)
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