がんの病巣を取り除く、最新の切らない手術
〜体への負担を最小限に抑える
腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ)
がんの手術といえば、
・メスで体を大きく切り開いて、
・臓器をとり出し、
・悪いところを取り除き
・傷口を縫い合わせる
手術後は、体力が回復するまで何週間も入院する
これが、一般的に抱いているイメージですね。
ところが、この腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ)。
今までの手術との大きな違いは、体を大きく切らないことなのです。
どういった手術なのか大ざっぱにいうと
腹腔(おなかの中)に腹腔鏡というテレビカメラを入れて
おなかの中をテレビモニターに映し出して、それを見ながら
手術をするのです。
また、今までの手術ではおなじみの
皮膚を切り開く メスや、臓器や組織をつまむ
ハサミのような 鉗子(かんし) といった医療器具は
おなかに小さな穴を開けてトロカールという筒状の器具を入れて、
その通路を通して操作します。
腹腔鏡手術の時は、おなかの中に炭酸ガスを入れたり
内部に入れたワイヤーで外側に突っ張らせます。
こうすることで腹壁と臓器の間に空間ができて
見えやすく、手術がしやすくなります。
腹腔鏡手術がどんなものなのか、胃がんを例に述べていきましょう。
●腹腔鏡手術の原理・手順について
◇手術は全身麻酔で行います。
◇おなかの中の視界を保つために「気腹針」というもので
二酸化炭素(炭酸ガス)を注入します。
これで腹壁と臓器との間のすき間を確保することができます。
なぜ、炭酸ガスなのかというと、最も安全だからです。
手術中、誤って血管を傷つけた場合、期待は血管の中に入ってしまいます。
その場合、血液に溶けにくい気体だと泡になって血管にとどまり、血管を
詰まらせることになります。
これは非常に危険な状態です。
その点、炭酸ガスだと、血液中に溶けてしまうので泡になる心配が
ありません。
また、もう一つ炭酸ガスには利点があります。
腹腔鏡手術は、電気メスやレーザーを使うのですが、
腸の中には可燃性のメタンガスや水素がたまっており、
電気メスの電流やレーザーメスのレーザーで、爆発を引き起こす
危険があります。
炭酸ガスはこうした爆発や燃焼を抑えてくれるのです。
◇腹腔鏡手術はおなかを切り開かない代わりに
直径5〜10mmの小さな穴を4ヶ所開けます。
◇その穴それぞれにトロカールというホースのような筒状の器具を挿入します。
腹腔内を映し出す腹腔鏡(テレビモニターにつなぎます)や
臓器や組織をつまむハサミのような 鉗子(かんし) や
電気メスなどを それぞれのトロカールの中を通して腹腔内に入れて
手術を行っていきます。
手術をするお医者様は、テレビモニター(画面)を見ながら 鉗子(かんし)や
メスを操作することになります。手術部位を直接見ているわけではないし、
遠隔操作で手術をすることになりますから、お医者様も訓練をつむ必要が
あります。
●腹腔鏡手術はどのように行われているのか??
現在の手術法として基本的なものは
◇内視鏡を口から入れて胃の内側を観察し、
◇病変部をクリップなどでマーキング(印をつける)をして
◇腹腔鏡で胃を外側から観察しながら
◇病気の部分を 鉗子(かんし)でつまみ上げ
◇トロカールから入れた自動縫合器で切りとった後に
◇縫い合わせます。
◇切り取った組織は回収用の袋によって回収します。
◇回収後は病理検査に回して、切り取った面にがん細胞が無いか、
リンパ節への転移が無いかなど、がんの性質を確認します。
多くのお医者様たちが、病気の出来た部位や進行度によって、最も適した腹腔鏡手術をするためにさまざまな工夫をこらし、新しい手術法の開発に努力しています。
また最近では、性能が良い三次元映像の立体カメラや、自動縫合器など、手術用の器具なども手術法と同時にどんどん開発されてきています。
特にこの自動縫合器は、「ピストル式」になっていて、引き金を引けば、切断することができ、同時に縫い合わせることができるので、手術が速やかにできるようになりました。 |