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●このがんに強い病院ベスト10● 

脳腫瘍 
 
   2006年3月3日 ゲンダイネット掲載

脳腫瘍は脳組織の中に異常細胞が増殖する病気だ。
発生率はざっと10万人に12人。細胞の形や性質によって
細かく分類されるが、全体として悪性のものが多いというから
怖いのだ。脳腫瘍で評価の高い病院を紹介しよう。

●東京女子医科大学病院(東京都)
 東京女子医大病院の脳神経外科は、年間の脳腫瘍手術数が約320例で全国トップ。
脳腫瘍の手術で重要なのは、画像診断で確認された腫瘍を残らずきれいに摘出すること。
そして、それを言語や運動などの神経を傷つけずに行うことだ。
 同科では手術中に患者と会話をして言語機能を確認しながら行う「覚醒下手術」や、
手術中のMRI画像と摘出部位画像を重ね合わせて正確な摘出を行う「術中MRI」などの
新技術を用いて、5年生存率を飛躍的に向上させている。
「脳腫瘍の覚醒下手術は、てんかんの手術を応用したものです。特殊な麻酔薬を使います。
日本では95年に私が最初に始めました。術中MRIは98年から取り組んでいます。
2000年からは、世界で初めて2つの新技術をドッキングした治療を始めました」と
堀智勝教授。
 これは脳腫瘍の中でも難治の神経膠腫(グリオーマ)で治療効果を上げている。
「最近の50例のグリオーマを検討したところ、画像診断で確認された腫瘍の摘出率は
平均95%に向上しています。一般的には70〜80%です。とくにグレード3で著しい
治療効果を上げて、5年生存率は従来の20%台から70%近くへと飛躍的な向上が
期待できます」(堀教授)

●日本医科大学病院(東京都)
 日本医科大病院の脳神経外科は、脳下垂体腫瘍の手術数が年間約150例で全国
トップクラス。寺本明教授の通算手術数は1800例を超え世界8位だ。
 脳下垂体腫瘍の手術は上唇の裏を切開し、鼻の奥の骨(蝶形骨)を開いて腫瘍を
取り除く「顕微鏡手術」と、鼻の穴から内視鏡を入れて腫瘍を摘出する「内視鏡手術」がある。
「脳下垂体は全身のホルモンの働きを支配する機能を持っています。いずれの手術でも、
腫瘍を取り除く際には、下垂体の機能を損なわないように行うことが大切です。脳
卒中などの手術とは違った技術が必要です」と寺本教授。
 同科での顕微鏡手術の手術時間は1時間半ほど。一般的には4〜5時間だから、
かなり短く、かつ安全に行われている。
「これまで手術による重篤な合併症はほとんどなく、手術死亡例もゼロです。
脳下垂体手術を専門とする医師や看護師などのチーム医療によって、短時間で安全な
手術を実現しています」(寺本教授)

●北野病院(大阪府)
 北野病院の脳神経外科脳腫瘍センターは、年間約130例の脳腫瘍手術を行い
全国有数だ。日本で最初の民間の脳腫瘍センターを05年に設立し、各科の専門家による
チーム医療で脳腫瘍の治療に取り組む。手術だけでなく、化学放射線療法に力を入れる。
 海外では神経膠腫のグレード3、4の再発に対して、新しい抗がん剤テモロゾマイドと
放射線療法の併用療法が行われている。放射線単独療法よりも、この併用療法の方が、
生存期間が延びることがわかったのだ。
「当院では厳密な決まりのもとに、国内で初めてテモロゾマイドを用いた臨床治験を
行いました。今年中に、この抗がん剤は保険適用が見込まれています」(石川正恒部長)
 現在、この化学放射線療法の治験に参加できるのは、18歳から70歳までで身の回りの
世話ができることなど、いくつかの条件が必要だ。
「今後は、抗がん剤と放射線療法を併用した化学放射線療法も有力な治療法になると
思います」と石川部長。


●病院名・診療科・医師名・電話・治療方針・特徴
 
●広南病院 脳神経外科
 小川欣一医師(電話)022・248・2131(宮城県)
東北大学脳神経外科と補完的関係にある。下垂体腫瘍など良性脳腫瘍を中心にMRI、
病理、内分泌学的診断に基づいて治療を行う

●東京女子医科大学病院(東京都) 脳神経外科
 堀智勝教授(電話)03・3353・8111(東京都)
脳腫瘍の年間手術数約320例(05年)で全国一。覚醒下手術や術中MRIなどの新技術を駆使し、摘出率と5年生存率を大幅に向上

●虎の門病院 脳神経外科
 臼井雅昭部長(電話)03・3588・1111(東京都)
下垂体腫瘍、聴神経腫瘍、髄膜腫など年間手術数約220例。下垂体腫瘍は治癒率90%以上、聴神経腫瘍では顔面神経温存100%

●慶応義塾大学病院 脳神経外科
 河瀬斌教授(電話)03・3353・1211(東京都)
脳腫瘍の年間手術数約280例。その多くが他病院からの紹介。あらゆる頭蓋底手術を実施。耳鼻科、形成外科と連携して手術を行う

●日本医科大学病院 脳神経外科
 寺本明教授(電話)03・3822・2131(東京都)
下垂体腫瘍の年間手術数約150例で全国トップクラス。寺本教授の通算1800例は目下世界8位。重篤な合併症、手術死亡例なし

●名古屋大学病院 脳神経外科
 吉田純教授(電話)052・741・2111(愛知県)
術中MRI画像誘導手術、内視鏡手術を含め年間130例の脳腫瘍外科手術を実施。悪性脳腫瘍には遺伝子治療、先端免疫治療等を行う

●北野病院 脳神経外科脳腫瘍センター
 石川正恒部長(電話)06・6312・1221(大阪府)
日本で最初に民間の脳腫瘍センターを設立。新しい抗がん剤テモロゾマイドの国内初の治療実績。手術と化学放射線療法を適切に選択

●大阪大学病院 脳神経外科
 吉峰俊樹教授(電話)06・6879・5111(大阪府)
昨年の治療数168例(うち手術123例、サイバーナイフ45例)。最先端の画像誘導手術、骨髄移植化学療法、新しい免疫療法の臨床試験中

●九州大学病院 脳神経外科
 佐々木富男教授(電話)096・642・5533外来(福岡県)
脳腫瘍の年間手術数130例で全国有数。難易度の高い脳深部の腫瘍が多い。特に聴神経腫瘍は症例数、治療成績とも全国トップクラス

●熊本大学病院 脳神経外科
 倉津純一教授 (電話)096・344・2111(熊本県)
05年の脳腫瘍患者数は163例。悪性脳腫瘍93例には集学的治療体制で対応。良性脳腫瘍も厳格な手術適応により良好な治療成績

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